今回の記事は、就活や転職にも役立つ資格「ITパスポート」に関するものです。
ネットワークの仕組みを理解するために試験範囲の「テクノロジー系、ネットワーク」に位置付けされるネットワークの基礎知識「LAN」と「WAN」について現役エンジニアである著者が解説していきます。
「LAN」と「WAN」はITパスポートの試験で出題頻度は非常に高い重要な項目の1つですので、必ず抑えておきましょう。
記事の最後の方では過去にITパスポートの試験で実際に出題された問題も取り扱っているので、ぜひ最後までご覧になってください。
目次
ネットワークとは?
ネットワークとは複数のコンピューターを通信回線で繋いだシステムのことです。
ネットワークには大きく分けて「LAN」と「WAN」の2種類があります。
それぞれ以下で解説していきます。
LAN、WANとは?
ここからはLANとWANについて具体的に説明していきます。
それぞれの定義やイメージを紹介した上で、その違いについて後半で解説していきます。
LANの定義
LANはLocal Area Network(ローカルエリアネットワーク)の略です。
社内や学校内、家庭内といった、一施設内程度の狭い範囲で構成される小規模なネットワークのことです。
WANの定義
次にWANとは、Wide Area Network(ワイドエリアネットワーク)の略で、LANと比較すると、広い範囲の大規模なネットワークのことです。
広義には広大な広がりをもつインターネットと、ほぼ同義として使われることもあります。
一方、狭義ではLANとLANを接続する道路などに埋められた線としてのネットワークのような意味合いで使われます。
LANとWANの明確な違いは?
「LANとWANの明確な境目はなんなの?」と疑問に思った方もいるかもしれません。
WANは、LANの利用者がNTTなどの通信事業者と契約しなければ利用できないという特徴があります。
例えば、東京にあるビルAのLANと、大阪にあるビルBのLANがあったとします。
このネットワークをつなぐためには、通信事業者が設置した回線であるWANを必ず使う必要があります。
なぜなら、なんの免許や許可を得ていない一般人が、電柱や道路、海底などに勝手に回線を敷設することはできないからです。
したがってWANとLANの違いは、通信事業者が設置した通信回線かどうかが明確な境目と覚えておきましょう。
東京と大阪や日本と海外など、離れた人とインターネット上のやり取りができるのは、物理的に電柱や海底ケーブルなどを用いて、WANが各々のLANを繋いでいるからです。
ちなみに有線か無線かによって、LANかWANが決まるわけではありません。
LANに無線が多くWANはほとんどが有線ではありますが、有線LANはありますし、無線LANも最近は登場しました。
イメージとしてはLANは無線、WANは有線でもいいかも知れませんが、厳密には、有線/無線で定義されないのも覚えておくとよいでしょう。
試験対策用まとめ
試験対策のまとめです。
- LANは、一施設内程度の狭い範囲で構成される小規模なネットワーク
- WANは、LANと比較して広い範囲の大規模なネットワーク
- LANとWANの違いは通信事業者が設置した通信回線かどうか
LANとWANでは3つの項目について覚えておきましょう。
ITパスポート過去問演習
それでは実際に過去に出題された問題を解いてみましょう。
平成二十七年の春季に出題された問題
Q.建物の中など、限定された範囲内を対象に構築する通信ネットワークはどれか。
- ア:IP-VPN
- イ:LAN
- ウ:WAN
- エ:広域イーサネット
…正解はイです。
問題文中に「建物の中」とあり、一施設内程度の小規模なネットワークのことを指していると考えられるため、イのLANが正解になります。
もう一問解いてみましょう。
平成二十五年の秋季に出題された問題
Q.WANに関する記述として、最も適切なものは何か。ア~エの中から選んでください。
- ア:ADSL、光ファイバーなど、データ通信に使う周波数帯域が広く、高速通信が可能である。
- イ:あらゆる情報端末や機器が、有線や無線の多様なネットワークによって接続され、いつでもどこからでも様々なサービスが利用できる
- ウ:ケーブルの代わりに電波を利用して構築する。
- エ:通信事業者のネットワークサービスを利用して、本社一支店間など地理的に離れたLAN同士を結ぶ
…正解はエです。
アはブロードバンドに関する記述で、イはユビキタスネットワークに関する記述です。
ウもWANはケーブルでも使用することができます。
残ったエが正解となります。
まとめ
今回はITパスポートで頻出の、LANとWANについて解説してきました。
ITパスポートとはIT分野でよく知られている代表的な資格です。
IT系の資格を取るならまずこのITパスポートを取得することになるかと思います。
受験予定の方は、試験での出題頻度も高いLANとWANは必ず抑えておきましょう。