この記事のまとめ
- プログラマーは資格よりも実務的スキルが必要
- ただインフラエンジニアは資格がみられることがある
- SEも保有資格を重視されることがある
- おすすめの資格
- 国家資格なら①ITパスポート②基本/応用情報技術者試験③職種専門の資格
- ベンダー資格なら①AWS認定②LinuC③シスコ技術者認定資格④オラクルマスター
目次
エンジニアにおける資格の必要性
システムエンジニアやプログラマーにおいて資格を取得することは必要なのでしょうか。
基本的に資格は必要ではない
結論からいうと資格取得は必要ではありません。
資格があろうと実際に開発やコーディングができないのでは話になりませんから、企業がエンジニアを雇う際には保有資格よりも実際のスキルを重視します。
初心者の方には実務経験や実績を手軽に積み上げる方法として、LP案件をこなすというのがおすすめです。
募集されている案件をこなすことで実務スキルの向上を目指しながら、手軽な副業としての報酬も得られるのはかなり魅力的かと思います。
詳しくは以下の記事を参照ください。
資格取得のメリットは?
前述の通り、エンジニアは資格よりも実務スキルを重視されますが、資格取得のメリットがないわけではありません。
資格取得のメリットは具体的に以下の3つが挙げられます。
- 客観的指標によるスキルの証明
- 給料のアップ
- 体系的な知識の整理
実務スキルを重視されるとは言うものの、資格をもっていれば最低限そのスキルをもっていることを客観的に示すことができるため得ではあるのです。
下図は給与決定の際に考慮する基準に関するグラフですが、多くの企業は給与決定の際に成果やITスキルを重視しているのがわかります。
引用:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果 平成29年8月21日 経済産業省
そして、下右図よりそのITスキルは保有資格によって判断している企業が7割であることがわかります。(下左図:ITスキル診断ツールによる評価は3割程度の企業が実施)
引用:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果 平成29年8月21日 経済産業省
また、実際にIT資格を保持していればその数だけ給料を一定数上げる制度を導入している企業もあります。
さらに、資格取得を通じた学習によって体系的な知識の整理にもつながるのもメリットの1つです。
特に初心者のうちは知識やスキルの習得は時間がかかりますから、資格勉強によって理解を深めておくことで実務の効率を上げることに繋がるでしょう。
よってIT資格を保有しておくことは必須ではないですが、重要なことであるといえるでしょう。
職種によっては資格が重視されることもある
ここでは資格の必要性は職種によって異なるという話をします。
WEB系のプログラマには特に実務経験や実際のスキルを重視されますが、インフラ系やSEでは資格が重視されたり資格保有によって給与が決定されることもあるようです。
プログラマを目指す場合
基本的にプログラマーはプログラミング言語でコードを実際に書いたりしてシステムやソフトを開発するのが仕事です。
したがって実務的なスキルが最重要であり、資格は重視されないことが多いです。
プログラマの中でも様々な業種に細分化されますがここではWEB系とインフラ系についての資格の重要性について論じます。
WEB系エンジニアを目指す場合
サイトの構築や運営といった業務のWEB系エンジニアなどには資格はほとんど必要ではないです。
これはWEB系エンジニアをはじめとするものつくり系ITエンジニアでは前述の通り、資格よりも実践的な知識やスキルをもとにどれだけ開発ができるかの方が重要であるためです。
インフラ系エンジニアを目指す場合
対して、ネットワークの構築やITインフラの整備を担当するエンジニアでは資格が重視されやすいようです。
ITインフラ系ではエンジニアが不足しており、そもそもエンジニアがインフラ系実務を積む機会に恵まれないことが多いため、保有資格が評価基準になると考えられます。
実用的でおすすめな資格として、国内トップシェアのAWS認定や、シェアの高いサーバーのLinuxに関する認定資格であるLinuCなどが挙げられます。
SEを目指す場合
SE(システムエンジニア)は基本的にシステムの設計といった上流過程を担当し、それを基にプログラマに仕事を割り振ります。
計画立案力やマネジメント力といったSEとしての実力値は測りづらいため、客観的指標として資格が評価基準になりえます。
また就業規則によっては資格手当として月に5千円や合格報酬金がもらえるため、年収アップを期待できます。
SEにおすすめな資格として、設計や計画の仕方、組織運営の知識などの上流過程に関した資格が挙げられますが、いずれも難易度が高いです。
具体的には応用情報技術者試験、プロジェクトマネージャー試験、システムアーキテクト試験などがあります。
エンジニアにおすすめの資格
以下ではエンジニアにおすすめしたい資格を難易度や学習時間を含めて紹介していきます。
IT系資格には大きく国家資格とベンダー資格があります。
国家資格は経済産業省がIT関連の知識や技能が一定水準以上であることを認定してくれるもので、価格は一律5100円(税込み)となっています。
対してベンダー資格は企業が自社製品に関する知識や技能が一定水準以上であることを認定してくれる民間資格で、価格は1万~となっており、高めのものが多いです。
国家資格
製品に特化せず、問題解決能力や応用力を身につけることができます。
一度取得すれば更新不要で永遠に資格保有が可能なのも魅力の1つ。
以下ではSEやインフラエンジニアに限らず幅広くエンジニアにおすすめできる資格を紹介します。
ITパスポート 合格率50% 難易度:低
ITに関連した一般的知識を身につけたい方におすすめ。
情報処理技術者試験のスキルレベル1に相当。
ひねった問題が出ることも少ないため非常に取得しやすいと言われています。
基本情報技術者試験 合格率25% 難易度:並
ITパスポートの上位資格で、ITエンジニアの登竜門と称されることもあります。
例年、最も応募者が多いことからもその人気がうかがえます。
応用情報技術者試験 合格率20% 難易度:高
基本情報技術者試験よりも、名前の通りに高等IT人材の能力を示すために作られた試験。
技術から管理、経営まで幅広い知識と応用力を身につけることができます。
その他各種のエンジニアに応じた資格 難易度:高
- ネットワークスペシャリスト試験
- システムアーキテクト試験
- データスペシャリスト
- エンベデッドスペシャリスト
ネットワークスペシャリスト試験はネットワークエンジニア、システムアーキテクト試験はシステムエンジニア、データスペシャリストはネットワークエンジニア、エンベデッドスペシャリストは組み込み系エンジニアに対応した資格となっています。
いずれも職種に特化した資格であるため難易度はかなり高いですが、その分、昇進時や転職時にスキル証明として使えるでしょう。
ベンダー資格
実務スキルの裏付けとして現場で活きる技術を身につけることができます。
有効期限が切れないよう更新しなくてはなりませんが、資格維持によって最新技術に対応し続けられるというメリットがあります。
ここでは特にインフラエンジニアにおすすめの資格を紹介しておきます。
AWS認定
Amazonが運営するクラウドサービスのAWS(AmazonWebService)に関する認定資格。
AWSは国内トップシェアを誇るクラウドサービスであり実用的な資格です。
AWSには下記画像のように3種類のレベルが存在します。
参考:AWS認定資格一覧
インフラエンジニアには基礎のクラウドプラクティショナーとアーキテクトアソシエイトとアーキテクトプロフェショナルがおすすめです。
アーキテクト認定はAWSを活用したインフラ構築に関する資格であり、インフラエンジニアとしてのスキルの証明に役立つでしょう。
受験に必要な学習時間の目安としてAWSを実際に使用した期間が公式サイトに掲載されており、クラウドプラクティショナーは6か月、アソシエイトは1年間、プロフェショナルは2年間と言われています。
LinuC
インフラエンジニア御用達のLinuxの認定試験のこと。
日本市場向けに作製されたLinux技術者認定試験であり、サーバー関係の知識が主に問われ、インフラ構築業務に役立つ資格となっています。
レベル1~レベル3まで存在し、レベル1は未経験者でも独学で取得でき、かつ企業からの評価も一定あるためおすすめです。
シスコ技術者認定試験
ネットワーク製品として高いシェアをもつシスコ社の認定資格であり、ネットワークエンジニアにおすすめです。
技術領域別にCloud、DateCenter、Securityなど資格が分かれており、かつ難易度別に①エントリー、②アソシエイト、③プロフェッショナル、④エキスパートと試験が用意されています。
最も一般的な資格のCCNA(アソシエイト)の取得には90時間程度の勉強時間が目安なようです。
合格率は非公開ですが③プロフェッショナルや④エキスパートは非常に難易度が高いと言われています。
オラクルマスター
データベースエンジニアとしての知識やスキルを主に問われます。
①Bronze、②Silver、③Gold、④Platinumの4階級が存在し、上の階級の受講条件は1つ下の階級に合格していることであり、④Platinumが最も難易度が高いです。
学習時間の目安は①Bronze、②Silver、③Goldにそれぞれ40時間ずつ、④Platinumは360時間と言われています。
①Bronze~④Platinumまでの総合計学習時間の目安は480時間となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
エンジニアとひとくちに言っても、職種によって資格が必要かどうかも異なり、そしてその資格にも多くの種類があるということを紹介しました。
とりあえずなにかしらの資格をとってみたいという方は、まずは一番基本的で、汎用性ある知識を問われるITパスポートの受験をお勧めします。
ただいずれにせよエンジニアには資格だけでなく実務的なスキルが問われるのは前提ですので、くれぐれも資格取得が目的化して実務を怠らないようにしましょう。
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