この記事は就活や転職にも役立つ資格、『ITパスポート』についての解説記事です。
今回はITパスポート試験範囲の「テクノロジー系、ネットワーク」に位置付けされる「ドメイン名とDNS」について、現役エンジニアの著者が分かりやすく解説していきます。
ドメイン名とDNSは、インターネットの仕組みを理解するうえで基礎的な用語ですので、しっかりと押さえておきましょう。
記事の後半で、ドメイン名、DNSに関する実際の Iパスの過去問も取り扱っているのでぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
ドメイン名について
ドメイン名とは、一言で言えば、人間に覚えにくいIPアドレスをわかりやすい文字列として置き換える時に使うものです。
以下で、IPアドレスについて解説した後に、ドメイン名について解説していきます。
IPアドレスとは
IPアドレスはネットワーク上の住所の役割を果たしており、ネットワーク上のコンピューターを識別する際に利用しますが、数字とピリオドで構成されていて人間には覚えづらく扱いにくいです。
IPアドレスについて詳しく知りたい方は以下のIPアドレスについて解説した記事をご覧ください。
人間には覚えづらいというIPアドレスの問題を解決する為に登場した仕組みが『ドメイン名』です。
ドメイン名とは
ドメイン名とはIPアドレスを対応付けすることが出来る、コンピュータを区別する為の名前です。
例えばWebサイトにIPアドレスを用いてアクセスする時は
https://54.65.103.226
とブラウザに入力するとアクセスが出来ますが、IPアドレスに紐付いたドメイン名でアクセスすると
https://code-dict.com
と、分かりやすい文字でアクセスが可能になります。
この例では54.65.103.226というIPアドレスをcode-dict.comというドメイン名に置き換えています。
もう一つの例としてメールアドレスにも、実はドメイン名が使われています。
メールアドレスは〇〇〇@gmail.com 等 @が付く文字列ですが、@の後の文字はドメイン名です。
info@code-dict.com
というメールアドレスも実際は
info@54.65.103.226
のようなIPアドレスを置き換えたものになっているのです。
このように、ドメイン名とは、人間にとっては扱いづらいIPアドレスを覚えやすく扱いやすい文字列に置き換えたものです。
ドメイン名にはアルファベットでないといけないという決まりはなく、漢字や平仮名をドメインに使うことも可能です。
また、重要な点としてドメイン名はIPアドレスと同様に、世界中で重複していない唯一無二の文字列であり「ICANN(アイキャン)」という団体が管理しています。
DNSとは?
DNSとはDomain Name Systemの略です。
ドメイン名はコンピュータが扱うことができないため、コンピュータ内で扱う為にはIPアドレスに変換する必要があります。
このドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みの事を『DNS』と言います。
DNSは現実世界における電話帳のようなもので、私達は数字の羅列である電話番号を覚えにくいので、電話帳には電話番号に対応する名前を登録しています。
実際に電話番号を調べる際は電話番号に対応した名前で検索を行います。
繰り返しになりますが、DNSは数字とピリオドで構成された人間には覚えにくいIPアドレスに、分かりやすい名前を対応させる仕組みなのです。
過去に出題されたDNSに関する問題ではドメイン名を『ホスト名』と言い換えられていることもあるので、抑えておきましょう。
試験対策用まとめ
試験対策用のまとめです。
- ドメイン名はIPアドレスに対応付けが出来る
- DNSはドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み
- ドメイン名はホスト名に言い換えられる事がある
- ドメイン名はIPアドレス同様に「ICANN(アイキャン)」という団体が管理している
今回はこの4つを押さえておきましょう。
ITパスポートの過去問で実践
それでは実際にITパスポートで出題された問題を解いてみましょう。
令和3年春期の過去問
インターネットで用いるドメイン名に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア.ドメイン名には,アルファベット,数字,ハイフンを使うことができるが,漢字,平仮名を使うことはできない。
- イ.ドメイン名は,Webサーバを指定するときのURLで使用されるものであり,電子メールアドレスには使用できない。
- ウ. ドメイン名は,個人で取得することはできず,企業や団体だけが取得できる。
- エ. ドメイン名は,接続先を人が識別しやすい文字列で表したものであり,IPアドレスの代わりに用いる。
ドメイン名の意味について問われている問題です。
ドメイン名には日本語も指定することができ、電子メールにも利用されます。
また、ドメイン名は企業でないと取得できないものではなく、個人でも取得できます。
よって、正解は『接続先を人が識別しやすい文字列で表したものであり,IPアドレスの代わりに用いる』エが正解になります。
平成21年春期の過去問
次の問題です。
DNSサーバの機能に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア. 同じLAN以外にあるコンピュータ宛てのパケットを中継する。
- イ.インターネットに接続された機器のホスト名とIPアドレスを対応させるシステムである。
- ウ. オンラインショッピングを安全に行うための個人認証システムである。
- エ. メール配信のために個人のメールアドレスを管理するシステムである。
DNSの意味を問う問題です。
解説してきた通り、DNSはドメイン名やホスト名をIPアドレスに変換する仕組みです。
よって『イ』が正解となります。
まとめ
今回解説してきたドメイン名、DNSはネットワークのカテゴリでよく出題される用語なので、しっかりとおぼえておきましょう。
この記事を通してITドメイン名やDNSに対する理解が深まり、ITパスポートの学習に役立てられていたら幸いです。
この記事の中で分からない用語があった方は関連する記事のリンクが貼ってありますのでそちらもご覧になってください。
今回は以上です。