この記事のまとめ
- IT人材で最も高い職種はコンサルタント(928.5万円)
- 経験年数は長ければ年収が高い
- 年齢は50代が最も年収が高い
- 言語別は『Python』がトップ
- 高年収を目指す方法とは?
エンジニアやプログラマーの年収がどれぐらいなのか、具体的に知りたい方はぜひこの記事に目を通してみてください。
この記事ではきちんとした統計データに基づく表やグラフを活用して、職種別、経験年数別、言語別で男女のシステムエンジニアやプログラマーの平均年収を紹介しています。
IT人材の年収データ
職種
IT業界の中にも様々な職種があります。
それぞれの職種における平均年収データは下グラフを参照してください。
引用:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果 平成29年8月21日 経済産業省
高い順に並べると以下のようになります。
1位 | コンサルタント | 928.5万円 |
2位 | プロジェクトマネージャー | 891.5万円 |
3位 | プロデューサ/ディレクター | 792.9万円 |
4位 | 営業・マーケティング | 783.3万円 |
5位 | 高度SE・ITエンジニア | 778.2万円 |
6位 | IT技術スペシャリスト | 758.2万円 |
7位 | 営業・マーケティング | 682.1万円 |
8位 | IT教育 | 651.0万円 |
9位 | IT運用・管理 | 608.6万円 |
10位 | SEプログラマ(組み込み) | 603.9万円 |
11位 | SEプログラマ(顧客向け) | 593.7万円 |
12位 | ITシステムの保守 | 592.2万円 |
13位 | エンジニア/プログラマ | 592.2万円 |
14位 | SE/プログラマ(ソフトウェア) | 568.8万円 |
15位 | コンテンツクリエイター/デザイナー | 411.0万円 |
16位 | 顧客サポート/ヘルプデスク | 390.9万円 |
このデータより、ITコンサルやプロジェクトマネージャ(PM)の給料はかなり高水準であり、上流過程に関わったり、事業計画を立てる人の給料が高いことがわかります。
逆にシステムを実際に構築するといったことをするのは外部のエンジニアです。
多重下請け構造であるIT業界の背景から、外部の末端エンジニアはかなり薄給となってしまいます。
コンテンツクリエイターや顧客サポート/ヘルプデスクは年収が低めですがこれは社会からの需要と人材供給のバランスからして人出は足りていることに起因しているでしょう。
また、下線がひいてあるのはインターネット関連企業のデータであることを示しています。
例えば上記データをみてわかる通り、同じ営業でもインターネット関連の下線が引いてあるものとそうでないものではインターネット関連の方が低いです。
このように、インターネット関連の企業の年収平均は比較的低いように見えます。
これは
- インターネット関連の事業は非常に小さな規模のビジネスも存在しておりそれらの年収が平均されていること
- インターネット関連以外のIT系企業は大手企業のシステム開発を担っていたりすることが多いため収入は比較的安定して平均より高い水準の給料であること
の2つが原因で、相対的にインターネット関連企業の年収平均が低くなっていると考えられます。
ただいずれにせよ日本人の平均年収である547万円(参考:厚生労働省)を上回る職種がほとんどであり、IT人材は高年収である率が高いといえます。
経験年数
経験年数と年齢別の男性/女性システムエンジニア(SE)の年収データを合わせて、下の表とグラフを作成しました。
出典:政府統計の総合窓口 e-Stat 賃金構造基本統計調査2019年
0年 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年 | |
SE男 | 328.2万 | 410.9万 | 492.7万 | 545.5万 | 643.0万 |
SE女 | ー | 391.1万 | 465.0万 | 502.7万 | 560.4万 |
このグラフをみてわかる通り、経験年数が5年増えるごとに年収も正比例して増えていることがわかります。
これはプログラマーでもほぼ同様のデータとなっていました。
IT企業の大半は年齢よりもITスキルを重視して給与を決定しているため、経験年数が長くなるほどITスキルも蓄積されて年収が高くなるのだと考えられます。
年齢
経験年数のデータと同様にして、年齢と年収の関係を表した表とグラフが下図です。
(下表では小数点以下は四捨五入して表示しています。)
~19 | 20~24 | 25~29 | 30~34 | 35~39 | 40~44 | 45~49 | 50~54 | 55~59 | 60~64 | 65~69 | 70~ | |
SE男 | 239万 | 338万 | 422 | 543 | 518 | 570 | 539 | 642 | 640 | 507 | 426 | 384 |
SE女 | 240万 | 311 | 392 | 431 | 432 | 549 | 464 | 548 | 564 | 429 | – | – |
データ出典:政府統計の総合窓口 e-Stat 賃金構造基本統計調査2019年
※60代以降は女性のデータはなし
これをみてわかる通り、年功序列のような年収推移が見て取れます。
これは年齢が上がるにつれてITスキルも蓄積されていったり、責任ある立場を任されるようになるためと推察されます。
多くのIT企業は、年齢ではなく実力を重視して年収を決定していると答えているため、年齢が高くなるほど年収も高くなるのだと推測されます。
言語
言語別年収ランキング(参考サイト:スタンバイプログラミング言語別平均年収ランキング)
1位 | Python | 651万円 |
2位 | Perl | 633万円 |
3位 | Ruby | 606万円 |
4位 | C言語 | 597万円 |
5位 | JavaScript | 555万円 |
6位 | PHP | 538万円 |
7位 | Scala | 530万円 |
8位 | Java | 499万円 |
9位 | Swift | 483万円 |
10位 | Objective-C | 475万円 |
- 第1位 「Python」(651万円) 求人掲載数 9,175件
機械学習用の言語として有名。
人工知能の発展によって機械学習エンジニアなどの需要が急激に高まっている。
- 第2位 「Perl」(633万円) 求人掲載数10,905件
Webのフロントエンドからサーバーサイドまで幅広く安定した求人がある。
ただ古い言語ではあるので新しい言語を学習するエンジニアが増えている。
- 第3位 「Ruby」(606万円) 求人掲載数11,694件
オブジェクト指向言語として設計された日本発の言語。
文法が比較的容易であり、Ruby on Railsというフレームワークによってさらに発展してきた。
- 第4位 「C言語」(597万円) 求人掲載数13,649件
「C」、「C++」、「C#」などは、汎用性が高く企業の業務システムをはじめ様々なシステムで活用されている。
高速処理が可能なため、大量のデータを処理する分野で人気だが、習得難易度は高い。
- 第5位 「Javascript」(555万円) 求人掲載数18,298件
フロントエンドで動的要素の実装に用いられる「Javascript」はWEB業界で働くには必須といえる言語。
強力なフレームワークが豊富に存在し、開発が効率的に行える。
- 第6位 「PHP」(538万円) 求人掲載数23,735件
手軽に動的ページを作る上で非常に便利。
WEB開発で人気の言語として世界中で使われており、FacebookやWordPressも「PHP」で書かれている。
- 第7位 「Scala」(531万円) 求人掲載数557件
Javaの上位互換の言語であり、安全性とスピード、動的言語並のコードの柔軟さ・簡潔さを有しており、ほぼすべての開発が可能。
TwitterやLINEの開発や、ビズリーチやサイバーエージェントの業務システム開発に使われている。
- 第8位 「Java」(500万円) 求人掲載数56,753件
世界で最も使われているプログラミング言語であり、その堅牢性から企業の基幹系システム開発まで幅広く使われています。
Android開発でも「Java」が使われておりさらなる広がりが期待されており、求人案件数も他の言語より圧倒的に多い。
- 第9位 「Swift」(483万円) 求人掲載数715件
iOSアプリ開発言語「Objective-C」の後継言語で、2014年に公開されたばかりで、今後の伸びが期待される。
コードを書かずとも簡易にiOSアプリのデザインを構築することが可能。
- 第10位 「Objective-C」(475万円) 求人掲載数3,389件
後継言語であるSwiftに人気が移りつつあるが、スタンバイでも「iOSエンジニア」や「アプリ開発」などの求人がまだまだ多く見られた。
高年収を目指すには
ITスキルを磨く
引用:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果 平成29年8月21日 経済産業省
上図はIT人材の給与水準が決められる際にどのような要素がどの程度重要と思われるかについて、企業に質問して得られたデータです。
年齢よりもITスキルやコミュニケーション能力、成果を圧倒的に重視していることがわかります。
兎にも角にも最重要なのはプログラミング知識やコーディングスキルを磨き続け、成果を出すことです。
企業からの評価を上げて給料を高くしたいならばITスキルを身に付けて結果を残す必要があります。
実績や結果を残すことが、結果的に会社内での評価上昇や転職時の強みとして活かされることに繋がるのです。
資格をとる
引用:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果 平成29年8月21日 経済産業省
さて上述のITスキルですが、それを何で図るのかといった質問を企業に向けて得られた回答が上図。
業種によるばらつきはあるものの、「保有資格」が最も割合が高く、「非常に重視している」「ある程度重視している」の合計で7割超という結果が得られました。
ITスキル診断ツール等による評価結果は、概ね30%前後の割合にとどまっています。
ITスキルの客観的判断は難しいため資格を保有しているかどうかに基づいてスキルの有無を判断しているようです。
転職
下図をみてわかる通り、全体の6割近くの企業が、中途採用人材には新卒採用の社員の最高水準を超えた待遇をすると答えています。
引用:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果 平成29年8月21日 経済産業省
実際、転職によって年収が上がったというエンジニアが全体の7割近くというデータも出ています。(参考サイト:リクナビネクスト 約7割が年収UPと回答!転職で給与はいくら上がった?)
リクナビネクストによるとエンジニア転職による平均年収増加率は11.4%となっています。
ただこれは転職をすれば年収が上がるというわけではなく、本人により高い年収が望める実力があるから、外部企業に評価されて転職が成功して結果的に年収が上がっていると解釈できます。
安易に転職を目指すのではなくとにかく自らのスキルを磨いて実績を積むことが重要です。
フリーランスになる
参考サイト:クラウドテック
上記の画像は実際にフリーランスに対して案件を紹介するサイトのものです。
成果主義ではありますが、高い単価の求人も少なくありません。
フリーランスとして、年収1000万を超えるのも不可能ではないのが数字として表されています。
技術さえ身につけば独立して高単価の案件を受注して働くのも可能であることがわかります。
ただ安易にフリーランスになると苦労しますので実績や技術力を身につけてから独立する力があるかどうかを見極めましょう。
まとめ
この記事ではエンジニアの年収について様々な評価軸で紹介してきました。
記事の後半では、年収をアップさせる方法として、実績や経験を積み上げながら技術力をつけて、転職やフリーランスを視野に入れることについて書きました。
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スクール名 | 料金 | 学習期間 |
---|---|---|
スキルド | 月額5,000円 | 1ヶ月~3ヶ月 |
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